2009年度

学生実験「非線形振動子」


金曜午後 理学部2号館403号室集合
担当:櫻井・北畑・北脇(TA)


 我々の目にふれるほとんどすべての事象は、変化し、複雑さを加え、多様性を増していこうとする進化の過程であり、ミクロからマクロに亘る多重の階層構造と、各階層で観測されるパターンの形成、発展、消滅、再生の反映として現れる。自然界の森羅万象に見られるいくつかの深遠な現象の理解は、こうした階層性に関連した情報の縮約と、各階層での情報の展開としての化学反応やパターン形成のダイナミックスを解明することにより得られる。多くの現象は複雑であるにも関わらず、簡単に実験室レベルで再現できる現象もある。そこで、様々な現象を再現し、実験することにより、自然現象の面白さ、複雑さを再考したい。
 非平衡非線形系における代表的な現象として、自発的な非線形振動現象が知られている。例えば、心臓の周期的な活動もその一つであろう。ところで、そのような非線形振動子が二つ以上結合された場合にどのような振る舞いをするだろうか?結合された非線形振動子では、本来単体で持っている周期が変化したり、ある固有の位相差を持って同期したりする。このように、二つ以上の非線形振動子が互いに影響し合うことにより発生する、新しい特徴をもった現象を協同現象とよぶ。ここでは、以下にあげるテーマを題材とし協同現象について理解する。  また、非線形振動子の特徴をよりよく理解するため、C言語を用いてプログラムを書き、数値計算を行ってその特徴を調べる演習も行う。本課題は、自由度の高いので、自分たちでいろいろと試行錯誤しながら進めていくと意義あるものになるであろう。レポートは、(自分なりの)問題意識、実験内容、実験結果、考察、結論と筋の通ったものを期待している。


実験内容

1. Belousov-Zhabotinsky (BZ) 反応
2. 塩水振動子
3. ペットボトル振動子
4. ロウソク振動子
5. メトロノーム
6. 電気回路振動

数値計算

非線形振動子の例:
van del Pol方程式
Rayleigh方程式
FitzHugh-Nagumo方程式



2008年度学生実験