学生実験「ブラウン運動」


 分子レベルでのミクロな運動とマクロな現象とをつなげる際に、歴史的に研究されてきたのがブラウン運動である。ブラウン運動は19世紀にロバート・ブラウンにより偶然発見された。彼は、花粉から流れ出した粒子がフラフラと運動しているのを発見し、はじめは生物に特有の運動と考えた。それに対し、アインシュタインは、その運動が水分子の衝突による影響であることを見出した。この課題では、ブラウン運動を顕微鏡で観察し、アインシュタインが提唱したブラウン運動の「激しさ」と粒子に対する流体の抵抗を結びつける関係式を確認する。 /p>

 具体的には、蛍光顕微鏡を用いて、ブラウン粒子の観察を行う。その際、それぞれに溶媒の粘性を変えて実験を行う。その画像から、粒子の位置の時間変化を追跡し、そのデータを用いて平均二乗変位を計算し、拡散係数を求める。グループ内で粘性が異なるデータを共有し、アインシュタイン・ストークスの式と比較する。

 単位認定のためには、必ずレポートを提出すること。レポートは、特に事情がない限り、実験日の2週間後までに提出すること。